「ナショナルむしグラフィック」いま、リアルな虫のアクセサリーがウケてます!虫から環境を見る「ナショナルむしグラフィック」

樹脂でコーティングされた本物の虫のアクセサリー。見た目が美しい虫を選んでいる。

  • 樹脂でコーティングされた本物の虫のアクセサリー。見た目が美しい虫を選んでいる。

    樹脂でコーティングされた本物の虫のアクセサリー。見た目が美しい虫を選んでいる。

  • 一番人気の蝶をモチーフとしたピアスとブローチ。本物と間違えてしまうくらい精巧な作り。今にも飛び出しそうだ。

    一番人気の蝶をモチーフとしたピアスとブローチ。本物と間違えてしまうくらい精巧な作り。今にも飛び出しそうだ。

  • このパンツの柄をよーくみると……昆虫の柄なんです! 男女兼用に作られたボクサーパンツ。

    このパンツの柄をよーくみると……昆虫の柄なんです! 男女兼用に作られたボクサーパンツ。

  • デザイナーの谷さん(右)。独学でアクセサリー制作の技術を学んだそうだ。

    デザイナーの谷さん(右)。独学でアクセサリー制作の技術を学んだそうだ。

  • ムカデ(左)とクワガタのリング(右)。ムカデのリングは毛が生えていて、オリジナリティあふれる作品だ。

    ムカデ(左)とクワガタのリング(右)。ムカデのリングは毛が生えていて、オリジナリティあふれる作品だ。

 虫のコラムを始めるようになってから、上司や同僚が虫に関する情報をやたらと教えてくれる。先日も上司から、「原宿で虫のアクセサリーショップを見つけたよ! すごくかっこいいアクセサリーなの」とう情報をもらい、早速行ってみることに。
 お店の名前は『gondoa(ゴンドア)』。おしゃれに敏感な若者が集うファッションビル「ラフォーレ原宿」の中にあった。店内に足を踏み入れると、10~20代の若い女性客が何かを手に取ってしげしげと眺めている。覗いてみると......
 なんと本物の虫を使ったアクセサリーだった!
 ショーケースには、今まで見たことのないような美しい色の昆虫や、大きなクワガタがズラリと並んでおり、目を奪われる。これらは本物の虫を透明な樹脂でコーティングしたもの。店内を見渡すと、昆虫やら蝶やらいろんな虫がいっぱい! ここは虫の博物館のようなお店だ。

 近くにいた若い女性スタッフに話を聞いてみる。
「本物の虫を使ったアクセサリーの中では、宝石のような輝きを放つホウセキゾウムシが人気なんですよ。バックに付けるとおしゃれですよ」
 虫アクセサリーひとつひとつをていねいに説明してくれた。女性スタッフの口からは今まで聞いたことのない虫の名前が次々に発せられる。彼女の髪の毛には、なんと蝶がとまっているではないか!? まるで本物のようだ。これは蝶のブローチで、リアルさを出すために本物の蝶の柄をプリントして制作したもの。店の一番人気のアクセサリーだ。
 これらのアクセサリーをデザインしたのは、オーナーの谷勇さん。元々ドクロをモチーフとしたアクセサリーを作っていたらしい。なぜ虫のアクセサリーを作り始めたのか?
「きっかけは、『トルクアータ』というブランド名なんです。響きが気に入ってつけました。これ、実は『トルクアータ・ハナムグリ』というあるカナブンの学名なんですよ。背中が緑色で、生きた宝石ともいわれる美しい昆虫です。ブランド名が虫の名前に決まったので、虫のアクセサリーを作ってみようと思ったんです」
 最初は虫をモチーフとしたアクセサリーを作ってみた。虫の図鑑や写真を参考にしながらデザインを重ねたそうだ。その後、インドネシアの土産店で樹脂の中に本物の虫を閉じ込めた商品に出会った。

「初めて見たとき、かっこいい! と思いましたね。昆虫をモチーフにしたアクセサリーはよく見かけますが、これを見てよりリアルさを求めた虫のアクセサリーを作ってみようと思いました」
 ファッション性とオリジナリティーを意識し、幅広い客層につけてもらえるようにデザインした。現在は、キーホルダー、ストラップ、ネックレスを販売しており、使用する虫は30種類以上だ。
「虫が苦手な人でも、閉じ込めてしまえば安心ですからね。透明の樹脂なので虫の裏側も丸見えですし、いろんな角度から虫を観察できますよ。驚かせたい、喜ばせたい、という思いからプレゼント用に買っていかれる方が多いですね」

 販売以来、このアクセサリーはとても評判がいい。虫に興味を持つ人も増えているのかもしれない。そこで、二人の若い女性スタッフにも虫が好きかどうか質問してみた。
「最初は蝶のピアスに惹かれて、このお店で働きたいと思いました。実際働き始めてビックリしました。本物の虫がこんなにいっぱいいるお店だとは思ってなかったんです(笑)。でも、リアルな虫のアクセサリーってほとんど見かけないし、おしゃれだと思います。接客するために、虫の名前を覚えなきゃいけないので勉強しました。いままで虫に興味なんてこれっぽっちもなかったんですよ。でも勉強するにつれて、新しい発見もあって新鮮で面白いです」
「私は、いままで虫には触れませんでした。でもこの店で働くようになって、触れるようになったんですよ。虫を身近に感じられるし、いま虫にとても興味があります」
 虫に興味を持ったのなら、ぜひ虫を食べてほしい! と思い、私が以前このコラム内で虫を食べ、意外とおいしかったことを話してみた。すると
「私も虫を食べてみたい!」
 という思いもよらぬ答えが返ってきた。虫のアクセサリーをつける若い女性が増えれば、虫を好んで食べる人も増え、虫ブームが到来するかもしれない、と思った。

 若い女性はみんな虫嫌い! という印象がある。しかし、この店で働く女性スタッフ、ならびに来店する若い女性客は、本物の虫を使ったアクセサリーを「おしゃれなファッション」として捉えている。リアルな虫がファッションとしてあしらわれるという斬新さが、おしゃれに敏感な若い女性に受けているのだろう。虫愛ずる人は子どもや男性だけとは限らない。虫は、形さえ変えれば女性にも受け入れられるのかもしれない。今後も、虫の世界の門戸を広げてくれる虫アクセサリーに注目していきたい。

「むしむし探し隊」サイト(http://www.64tai.com/)

「gondoa」サイト(http://www.motherdictionary.com/)

Photo_Yuki Tsujimoto Text_Satoko Kasai

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