国内排出量取引の試行実施、「電力・鉄鋼は参加と理解」=地球温暖化懇2008年 10月 20日 (ロイター)
[東京 20日 ロイター] 政府は20日夜、「地球温暖化問題に関する懇談会」で、国内排出量取引制度の試行実施の最終案を提出した。21日朝の地球温暖化対策推進本部で正式決定し、2008年度からの参加企業の募集を開始する。
募集期間は12月中旬まで。記者会見した奥田碩座長(内閣特別顧問・トヨタ自動車 相談役)は、試行実施について「電力、鉄鋼は参加すると理解している」と述べた。
国内排出量取引の試行実施は、福田康夫前内閣の7月29日に閣議決定した。試行実施で得られた経験を生かして、排出量取引を本格導入する場合に必要になる条件、制度設計の課題などを明らかにし、国際的なルール作りの場でのリーダーシップの発揮につなげることを狙う。
同懇談会は同日、政府が2020―2030年を目安とする排出削減の中期目標を来年中に決定するため、懇談会の分科会として「中期目標検討委員会」の設置を決めた。座長には、福井俊彦・前日銀総裁が就任した。
<試行実施は2012年度が最終年度>
参加企業は、原則として、業界団体での参加は認めず、事業所、個別企業、複数企業グループ単位とする。排出枠の取引は、目標設定参加者のほか、取引参加者も行うことができる。当初は、相対取引として、排出枠として取引するのは、目標超過達成分のほか、大企業が自社の技術や資金を提供して実施する中小企業の排出削減量を認証する「国内クレジット」、先進国の企業などが途上国の排出削減を支援する京都議定書のクリーン開発メカニズム(CDM)の「京都クレジット」の3種類。
<09年1―3月に中間評価、09年秋に初年度の評価>
2008年度からの参加企業の募集は12月中旬で締め切るが、排出目標の設定などの手続きを終えた2009年1―3月に中間評価を実施し、2009年度以降の試行の枠組みに反映させる。
試行実施の評価項目としては、1)削減努力や技術開発につながる効果、2)マネーゲームの弊害、3)排出枠・クレジットの発行、自主目標の達成確認などシステム機能、4)国際的なルール作りに貢献できる知見――などを点検する。
一方で、今後の課題も多く、2008年末までに、1)排出枠とクレジットの税務処理や会計処理、2)排出量の算定、報告、検証のガイドライン、3)取引に参加する第三者認証機関の認定――を決定しなければならない。
また、中間評価までに、自主行動計画に参加していない企業の原単位目標の設定方法を決める必要もある。さらに、試行の状況をみながら、過剰売却や虚偽報告などへの対処のあり方や、取引所取引の活用の可能性を探っていく。
(ロイター日本語ニュース 村井 令二記者)




















